セルフネイルをしている方であれば、ネイルが浮く「リフト」と呼ばれる状態を経験したことがあるでしょう。
特に欠けたり割れたりしていなくても、ネイルが浮いてしまったらやり直しが必要です。そのままにしておくと、浮きの範囲が広がったり、服や髪の毛に引っかかりやすくなったりするので、ストレスになってしまいます。また、爪とネイルの隙間に汚れや水がたまると、雑菌が繁殖してしまうため、早めの対処が必要です。
そこで今回は、ジェルネイルが浮く原因や浮いたときのNG行動、対処方法などを紹介します。「リフト」に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
ジェルネイルが浮く5つの原因
ジェルネイルが浮いてしまうのは、以下のような原因が考えられます。
<ジェルネイルが浮く5つの原因>
- 下準備が不足している
- 指先を酷使する機会が多い
- 付け替え時期が過ぎている
- 自爪にダメージがある
- 爪に合わないジェルを使っている
ジェルネイルが浮かないようにするには、浮く原因を把握しておく必要があります。自分に当てはまることがないか、確認してみましょう。
➀下準備が不足している
ジェルネイルの持ちを左右する大きな要因となるのが、下準備(プレパレーション)です。
爪の長さや形が整っていなかったり、甘皮がきちんと処理されていなかったりすると、ジェルがうまく密着せずに浮きやすくなってしまいます。また、爪の表面に軽く傷をつける「サンディング」が足りないと、ジェルが爪に密着しづらくなるので、最初はくっついたとしても定着しにくくなってしまいます。
さらに、爪に油分や水分、汚れが残ったままだと、ジェルとの間に隙間ができて浮きの原因になるため、しっかり拭き取ることが重要です。ネイルを美しく長持ちさせるためには、丁寧な下準備が欠かせません。
②指先を酷使する機会が多い
手や指先は日常的に使う部位なので、ジェルネイルが浮きやすくなる傾向があります。
キーボードのタイピングをしている時間が長かったり、料理や掃除で水や洗剤に頻繁に触れたり、子育てで手を酷使したりするなど、指先への負荷が大きいとジェルが剥がれやすくなります。
また、爪を道具代わりに使ってしまう癖がある方も、注意が必要です。缶のプルリングを爪先で引っかけて開ける、段ボールのガムテープを爪で剥がす、汚れを爪でかきとるなどの行為はダイレクトに負担をかけるため、爪とジェルが乖離しやすくなってしまいます。
指先に過度な衝撃や摩擦がかかることにより、ジェルと爪の接着面が弱まり、浮きやすくなってしまうので要注意です。
③付け替え時期が過ぎている
ジェルネイルの理想的な付け替え時期の目安は、一般的にネイルをしてから3〜4週間後といわれています。この期間を過ぎると、爪が伸びてきて根元との段差が目立ったり、ジェルの先端が浮いてきたりすることがあるのです。
また、付けている期間が長ければ長いほど、日常生活の中で少しずつダメージが蓄積されていくため、浮きやすい状態になります。
浮かないのはもちろん、きれいな状態をキープするためにも、定期的なメンテナンスを心がけましょう。たとえ浮いてこなかったとしても、4週間を過ぎたらオフやリペアを検討するのがおすすめです。
④自爪にダメージがある
自爪が薄くなっていたり、縦スジや二枚爪などのダメージがあったりすると、ジェルがうまく密着しにくくなります。特にセルフネイルで、過度なサンディングや無理に剥がすなど間違ったオフを繰り返すと、自爪が傷んで浮きやすくなってしまうのです。
また、健康状態や栄養バランスが乱れると、表面が乾燥したり凸凹したりするので、ジェルが定着しづらくなります。ジェルネイルを長く楽しむためには自爪のケアが重要なので、しっかり保湿をするのはもちろん、健康や栄養バランスにも気を付けましょう。
⑤爪に合わないジェルを使っている
使用しているジェルが、自爪の状態やライフスタイルに合っていないと、持ちが悪くなってしまうことがあります。例えば、柔らかいジェルはフィット感が良い一方で剥がれやすく、硬めのジェルは強度があるものの、爪の動きに対応しきれずに浮きやすくなるのが特徴です。
ネイルサロンであれば、お客様の爪の状態やライフスタイルに合わせたジェルの種類を選んでくれます。しかし、セルフの場合、ジェルの質までは選ばない方が多いでしょう。
例えば、反り爪や爪に縦線が入っている場合は、フィットしやすい柔らかめのベースジェルを使うのがベストです。ハードジェルのほうが持ちは良いものの、反り爪だとジェルが完全に密着せず浮いてしまいます。
そのため、使用するジェルの特徴をしっかり理解し、自分の爪に合ったアイテムを選ぶことが大切です。
ジェルネイルが浮いてきたときのNG行動
ジェルネイルが浮いてきたら、すぐに「何とかしなきゃ」と焦ってしまうかもしれません。早めに対処するのは良いことですが、リフトへの対処方法を間違ってしまうと、爪のトラブルが起こったり、リフトの範囲が広がったりする可能性があります。
ここでは、ジェルネイルが浮いてきたときのNG行動を3つ紹介します。
浮いたまま放置する
ジェルネイルが浮いてきても「ちょっとぐらいなら大丈夫だろう」と放置してしまう方がいるかもしれませんが、これは危険な行動です。
ジェルが浮いている部分と自爪の隙間には、水分や汚れ、菌が入りやすくなっているので、時間が経つほど菌が繁殖するリスクが高まります。その結果、緑色の変色が見られる「グリーンネイル(緑膿菌感染)」を引き起こすこともあります。
グリーンネイルになった場合、その部分のネイルをすぐにオフするのはもちろん、状態によってはしばらくジェルをお休みしなければなりません。このようなトラブルを起こさないためにも、浮きが気になったときは、できるだけ早めにオフするのがベストです。
隙間をネイルグルーやトップコートで補修する
浮いてきたジェルの隙間を見つけた場合、とりあえず「ネイルグルー(接着剤)やトップコートなどで埋めよう」と考える方も多いかもしれません。隙間にネイルグルーなどを流し込めば、一時的には浮きがなくなります。しかし、状態を悪化させる原因になるので注意しましょう。
実は、隙間をふさいでしまうことで、浮いている間に内部に入り込んだ湿気や水分が逃げられず、密閉された環境になってしまうのです。こうした状態は菌の温床となり、グリーンネイルや爪の剥離といったトラブルにつながる可能性があります。また、無理に接着することで、オフの際に自爪までダメージを与えることもあるため、注意が必要です。
ネイルグルーやトップコートでの補修はあくまでも一時的な処置なので、早めにジェルオフをしてください。
先端を爪切りでカットする
浮きが気になると、つい爪切りでその部分をカットしたくなってしまうでしょう。しかし、これは自爪とネイルの両方にダメージを与えるNG行動です。
ジェルネイルは爪にしっかり密着しているため、爪切りで無理やりカットしてしまうと、ジェルが密着している部分の引っ張りによって自爪が割れたり、層が剥がれたりすることがあります。また、カットした部分のジェルが欠けたり、さらに浮きが広がったりするかもしれません。特に厚みのあるジェルやハードジェルの場合、無理なカットはNGです。
見た目を整えるつもりが、逆に傷んでしまっては本末転倒なので、少しでも浮きを感じたら正しい方法でジェルをオフすることが大切です。
ジェルネイルが浮いてきたときの対処法
ジェルネイルが浮いてしまったときは、放置せずに早めの対応が大切です。適切な対処を行うことで、自爪の健康を守りながらネイルの持ちを良くできます。
ここでは、特に多い「爪先から浮いてきた場合」「根元から浮いてきた場合」のケース別に、ケアの手順とポイントを紹介します。正しいケアでトラブルを防ぎ、美しいネイルを楽しみましょう。
ケース➀爪先から浮いてきたとき
爪先から浮いてきたときの対処の手順は、以下のとおりです。
<爪先から浮いてきたときの対処の手順>
- 浮いているジェルを、ネイルファイルやスポンジファイルを使って削り落とす
- 自爪とジェルが段差になっている部分をネイルファイルで削って、なめらかにする
- 爪表面についているダストや油分を、クリーナーやエタノールなどで拭き取る
- 剥がれた自爪部分にベースジェルを塗布して、硬化する
- ベースジェルを硬化したら、カラージェルを塗って硬化する
- 全体的に均等になるよう、爪全体にトップジェルを塗って硬化する
- べたつきが残らないように、未硬化ジェルを拭き取ったら完成
爪先から浮くのは、爪先が日常的に摩擦や衝撃を受けやすいことから起こるトラブルです。浮いた部分は無理に剥がさず、ネイルファイルで削って自爪まで整えましょう。これにより引っかかりを防ぎ、さらに浮きを広げるリスクを減らせます。
その後、ベースジェル・カラージェル・トップジェルを薄く塗って補強すると、持ちが良くなります。ただし、これも一時的な応急処置なので、できるだけ早くサロンでのリペアやオフを検討しましょう。
ケース②根元から浮いてきたとき
根元から浮いてきたときの対処の手順は、以下のとおりです。
<根本から浮いてきたときの対処の手順>
- ウッドスティックや綿棒などで、甘皮を押し上げて処理をする
- 浮いた部分のジェルを、目の粗い#180程度のネイルファイルもしくはニッパーで削り落とす
- 自爪とジェルの段差部分をネイルファイルで削って、なめらかにする
- 自爪をサンディングする
- 爪表面についたダストや油分を、クリーナーやエタノールなどで拭き取る
- ジェルが剥がれた自爪部分にベースジェルを塗布して、硬化する
- カラージェルを塗って硬化する
- もともとのネイルと新しく塗ったネイルの段差をなくすため、全体にトップジェルを塗って硬化する
- べたつきがあったら未硬化ジェルを拭き取る
根元から浮いてくる場合は、爪が伸びてきたサインでもあります。根元部分の浮きも、放置すると隙間に汚れや菌が入りやすく、爪トラブルの原因になるため、速やかな対処が必要です。
ジェルの浮いた部分は無理に剥がさず、ネイルファイルで削って自爪をサンディングして整えましょう。その部分にベースジェル・カラージェル・トップジェルを塗って硬化し、ほかの部分との段差をトップジェルで整えれば、目立たなくなります。
ただ、根元部分はサンディングやジェルがやりづらいので、可能であれば全部やり直すか、サロンでのリペアやオフを早めに行いましょう。
ジェルネイルの浮きを予防する3つの方法
ジェルネイルが長持ちしない、浮きやすいという悩みを持っている方も多いでしょう。ジェルネイルの浮きは、日頃のちょっとした習慣やケアによって予防できます。
ここでは、ネイルの浮きを未然に防ぐための3つの基本的なポイントを紹介します。ぜひ浮き防止対策として、取り入れてみてください。
➀こまめに保湿をする
ジェルネイルの浮きを予防するうえで欠かせないのが、手や爪まわりの保湿です。乾燥は爪の柔軟性を失わせるので、ジェルの密着力を弱める原因になります。また、爪の根元が乾燥していると、そこからジェルが浮いてくることも多いです。
ネイルオイルやハンドクリームを使って、1日2~3回を目安に保湿ケアを行いましょう。特に、入浴後や水仕事のあとなど、乾燥しやすいタイミングでこまめにケアすると効果的です。べたつきが気になる場合は、軽めのテクスチャーのオイルを使うことをおすすめします。保湿は見た目の美しさだけでなく、ジェルネイルを長持ちさせるための大切なポイントです。
②日常生活の習慣を見直す
ジェルネイルの浮きやすさは、日常生活の習慣も大きく関係しています。特に、水や洗剤を頻繁に使う場面では、爪に余計な負担がかかることで、浮きの原因になります。食器洗いや掃除などの水仕事をする際は、できるだけゴム手袋を着用して、直接水に触れないようにしましょう。
また、シャンプーのときに爪を使って頭皮をこすってしまうと、摩擦や圧力によってジェルが先端から浮きやすくなります。段ボールを開けるときやシールを剥がすときも爪先を使いがちですが、このような動作が積み重なると浮きの原因になってしまいます。
シャンプーをするときは指の腹で洗ったりブラシを使ったりする、段ボールを開けるときはカッターを使うなど、日常の中で爪をいたわる意識を持つことが、ネイルを美しく長持ちさせるコツです。
③付け替え周期を守る
ジェルネイルは、どんなにしっかり密着していても、定期的なメンテナンスが必要です。基本的には、3〜4週間を目安に付け替えを行うのが理想です。
このタイミングを過ぎると、自爪が伸びたことで根元が浮いてしまったり、ジェルと爪の密着が弱くなったりするので、トラブルが起こりやすくなります。特に、爪が早く伸びる方や日常的に爪を酷使している方は、3週間前後での付け替えがよりおすすめです。
無理にジェルを長持ちさせようとするのではなく、自爪の状態を見ながら、適切なタイミングでネイルチェンジすることが浮きを防ぐポイントです。
まとめ
ジェルネイルの浮きを予防するには、こまめな保湿や爪への負担を減らす生活習慣、適切な付け替え周期を意識することがポイントです。どれも、特別な道具や技術がなくても始められる簡単なケアなので、ぜひ今日から取り入れてみてください。
爪や指先への意識を変えるだけでネイルの持ちが良くなり、ジェルネイルが浮くトラブルも減らせます。浮きやすいと感じていた方も、日々のケアを見直すことで、ジェルネイルをより快適に楽しめるはずです。大切な自爪とネイルの美しさを守るためにも、できることから始めてみましょう。