セルフネイルを行った後、部屋に残る独特な臭いや爪の臭いに困った経験がある方も多いでしょう。この鼻の奥にツンと残る異臭の原因には、使われている成分が大きく関係しています。
そこで今回は、ネイルの臭いの原因や、すぐにできる簡単な消臭方法をご紹介します。快適にネイルを楽しむために、ぜひ参考にしてみてください。
ネイルの臭いの原因
ネイルの臭いの原因はいろいろありますが、その中で特に多いのは以下の3つの成分です。
<ネイルの臭いの原因>
- 酢酸エチル・酢酸ブチル・トルエン
- アセトン
- イソプロパノール
ここでは、これらの成分について解説するので、当てはまるものがないかを確認していきましょう。
酢酸エチル・酢酸ブチル・トルエン
ネイルのツンとした臭いの原因の一つが「酢酸エチル」「酢酸ブチル」「トルエン」といった溶剤です。これらの成分は、マニキュアやトップコート、ベースコートなどの液体を均一に塗れるよう、液体の粘度を調整するために使われています。
特に酢酸エチルと酢酸ブチルは、揮発性が高く、乾燥を早める役割もありますが、その分空気中に臭い成分が広がりやすくなるのが特徴です。また、トルエンは発色を良くしたり、乾きを遅らせてムラを防いだりする役割がありますが、刺激臭が強い成分として知られています。
アセトン
アセトンは、ネイルの除光液やジェルネイルのオフ剤に多く含まれている成分です。強力な溶解力を持っている成分なので、マニキュアやジェルをしっかり落とせる反面、揮発性が高いため、独特のツンとした臭いを発生させます。
アセトンは手軽かつ安価で購入できるので、セルフでマニキュアやジェルネイルをオフするときに使う方も多いかもしれません。しかし、少量でも強い臭いを放つので、小さい子どもやペットがいる部屋で使う場合は、注意が必要です。
最近では、アセトンフリーの除光液も販売されているので、臭いが気になる方は切り替えるのもおすすめです。ただし、アセトンフリーの場合、落ちるまでに時間がかかる可能性もあるので、使い方を確認して上手に取り入れましょう。
イソプロパノール
イソプロパノールは、ジェルネイルの未硬化ジェルを拭き取るときや、道具の消毒、油分除去のために使われるアルコール系の溶剤です。
揮発性が高く、除菌力もあるため、ネイル作業には欠かせない成分ですが、使う際は独特のアルコール臭を感じることがあります。セルフネイルでジェルを仕上げる場合、最後にこのイソプロパノールで拭き取りをすると、部屋中にスーッとした臭いが広がってしまうので、異臭と感じることもあるでしょう。
ネイルの臭いは体に悪い?
セルフネイルをしたり、ネイルサロンで施術をしたりする程度であれば、ネイルの臭いが気になるとしても、健康に大きな影響が出ることはほとんどありません。
ただし、ネイルの臭いに含まれる溶剤の成分は、長時間大量に吸い込むと、頭痛や気分が悪くなることがあります。また、溶剤を使いすぎたり大量にこぼしてしまったりすると、異臭に気が付いていないとしても成分は空気中に漂っているため、具合が悪くなる可能性があります。
そもそも、溶剤を使っているのに換気をしないで作業を続けるのは、体に良いことではありません。長時間作業をする場合は、適度な換気を心がけて安全な環境を保ちましょう。
ネイルの臭いを消す方法
ネイル後の部屋に漂う臭いは、放置すると長く残ってしまいますが、少しの工夫で簡単に軽減できます。
基本は臭いをためないことで、換気をしっかり行って空気の流れを作るだけでも効果的です。また、空気清浄機や消臭剤を併用すると、さらに安心です。
ここでは、すぐに実践できるネイル臭の消し方を3つ紹介するので、快適にセルフネイルができるよう取り入れていきましょう。
換気をする
ネイルの臭い対策で一番大切なのが、こまめな換気です。マニキュアやジェルを塗っているときはもちろん、作業前から窓を開けて空気の流れを作っておくと、臭いが部屋にこもりにくくなります。窓を2ヶ所開ける「対角線換気」や、扇風機・サーキュレーターを使って空気を循環させることなどを意識すると、効率的に空気が入れ替わります。
ネイルをオフするときも、アセトンの揮発臭が強いので、必ず換気をして体への負担を軽減しましょう。換気は特別な準備もいらないので、作業の前後には必ず窓を開けて、新鮮な空気を取り入れることをおすすめします。
空気清浄機を使う
家やサロンに空気清浄機がある場合は、換気とあわせて活用しましょう。ネイルの臭いに含まれる揮発性有機化合物(VOC)は、空気中に漂いやすく、部屋の隅やカーテン、家具に付着してしまうこともあります。
空気清浄機を使えば、こうした臭い成分をフィルターでキャッチしてくれるので、効率よく空気をきれいに保てます。特に活性炭フィルターや脱臭機能が付いたタイプは、化学物質の臭いを吸着・脱臭してくれるので、おすすめです。
セルフネイルをよくする方は、作業中だけでなく、終わった後もしばらく稼働させておくと、部屋全体に臭いが残りにくくなります。ただし、空気清浄機だけに頼るのではなく、換気との併用がポイントです。ネイルを楽しんだ後も、心地よい空間で過ごせるように、空気清浄機を賢く活用してみてください。
消臭剤を使う
ネイル後のツンとした臭いをすぐに解消したい場合は、消臭剤を活用するのもおすすめです。特に、化学物質の臭いに効果的なタイプや、空気中の成分を中和して分解してくれる消臭スプレーが便利です。スプレーであれば、部屋にシュッとひと吹きするだけで、こもった臭いを和らげてくれます。
消臭剤を使った後に、芳香剤やアロマディフューザー、お香などで良い香りをプラスすると、より臭いが気にならなくなります。ただし、芳香剤やアロマディフューザーだけでは、根本的に臭いを取り除けない可能性も高いです。必ず消臭剤を使うか、換気やゴミの密封などを併用してみてください。
また、布製品に臭いが移りやすいので、気になる場合は、カーテンやクッションに使える布用消臭剤を併用するのも効果的です。
ネイルの臭い対策7選
ネイルの臭い対策は、以下の7つが効果的です。
<ネイルの臭い対策7選>
- ネイル後のゴミは密封して捨てる
- 臭いがしないマニキュアを使う
- ネイルオイルを塗る
- ノンワイプトップジェルを使わないようにする
- アセトンフリーの除光液を使う
- マスクをして作業する
- ネイルサロンで施術を受ける
ここでは、これらの対策について解説するので、臭いが気になる方は自分に合った対策方法を実践してみましょう。
➀ネイル後のゴミは密封して捨てる
ネイルの臭いを防ぐうえで重要なのが、溶剤を使った後のコットンやキッチンペーパーなどのゴミの処理方法です。
除光液やジェルを含んだコットン、アルミホイル、ティッシュなどは、揮発性の成分が染み込んでいるため、そのままゴミ箱に捨てると臭いが部屋に残り続けてしまいます。ゴミを捨てるときは、ビニール袋などにまとめて、しっかり密封するのがポイントです。
一番良いのは、蓋付きのゴミ箱に捨てる方法です。蓋がない場合は、小さめのジッパーバッグを使えば手軽に密閉できるので、より高い効果が期待できます。
臭いを抑えるには「残さない」「密封する」が鉄則です。少しの手間でお部屋の空気が快適になるので、ぜひ習慣にしてみてください。
②臭いがしないマニキュアを使う
最近では「酢酸ブチル」「酢酸エチル」「トルエン」の3つが含まれていないマニキュアが発売されています。これらの成分が入っていないものは、従来のマニキュアに比べて臭いを抑えられます。
「無臭タイプ」や「水性マニキュア」など、酢酸エチルやトルエンなどの揮発性の溶剤が含まれていないものや、植物由来の成分を使っているものは臭いが少なく、セルフネイル初心者にも扱いやすいのが特徴です。発色や持ちにやや差が出る場合もありますが、臭いに敏感な方やお子さんがいる家庭では特におすすめです。
さらに、こうした無臭タイプは、換気がしにくい冬場にも役立ちます。購入の際は「無臭」「オーガニック」「低臭」などの表記を確認してみてください。
③ネイルオイルを塗る
ネイルの臭い対策には、ネイルオイルを塗ることも意外と効果的です。ネイルオイルには香りがついているものも多く、爪や指先をケアしながらほんのりとした香りをプラスできるので、残りやすい化学臭を和らげられます。
オイルを使うタイミングは、ネイルの仕上げ後に、キューティクル部分に塗り込むだけでOKです。乾燥を防ぎながら指先に自然なツヤが出させるので、手元がより美しく見えるのもうれしいポイントです。セルフネイルの最後の仕上げとして取り入れて、臭いを軽減しながら爪の健康も守りましょう。
④ノンワイプトップジェルを使わないようにする
ノンワイプトップジェルは、未硬化ジェルを拭き取る必要がなく、仕上げが簡単なため、セルフネイルでも人気のアイテムです。
ただし、密着力を高めるために、独特の溶剤が含まれているものもあり、硬化中に強い臭いを感じることがあります。また、厚めに塗りすぎると硬化しきれず、臭いが長時間残ってしまうこともあるので、要注意です。
臭い残りが気になる方は、あえてノンワイプタイプを避け、拭き取りが必要なトップジェルを選ぶのも一つの方法です。拭き取る際に使うイソプロパノールの臭いが気になる場合は、ジェルクリーナーを使うと、表面に余分な臭いが残りにくくなります。
⑤アセトンフリーの除光液を使う
ネイルのオフで特に強い臭いを放つのが、アセトンです。ツンとした刺激臭が苦手という方も多いかもしれませんが、ネイルオフには欠かせません。
しかし、どうしても臭いが気になる場合は、アセトンフリーの除光液を取り入れてみましょう。アセトンフリーの除光液は、アセトンに比べて臭いが少なく、爪や肌への刺激も少ないのが特徴です。
アセトンが入っていない分、オフに少し時間がかかりますが、臭いの強さが格段に軽減されるので、セルフネイルがより快適になります。最近は保湿成分が配合されているものもあるので、爪の乾燥を防ぐ効果も期待できます。
➅マスクをして作業する
もっとも手軽なネイルの臭い対策として効果的なのが、作業中にマスクを着用することです。
セルフネイル中は、マニキュアや除光液、ジェルオフ剤などから揮発性の成分が発生し、気付かないうちにたくさん吸い込んでしまうことがあります。特に換気が不十分な場所では、頭痛や気分が悪くなる原因になってしまいます。
市販の不織布マスクでも十分ですが、臭いが気になる方は、活性炭入りなど防臭機能付きのマスクを選ぶのもおすすめです。マスクをするだけで、臭いの直接の吸い込みを減らせるため、体への負担を抑えながら作業ができます。
ただし、マスクをすると臭いに鈍感になりますが、空気中にはいろいろな成分が揮発しているので、作業後も部屋に臭いがこもらないよう換気を徹底しましょう。
➆ネイルサロンで施術を受ける
セルフネイルの臭いが気になる場合は、ネイルサロンでプロに施術を依頼する方法もあります。
ネイルサロンでは、換気設備や集塵機、空気清浄機など、空気をきれいに保つ環境が整っているため、揮発性の溶剤による臭いがこもりにくくなっています。施術もスピーディーかつ丁寧に進められるため、作業時間を短縮できる点も魅力です。
また、爪や指先に負担がかかりにくい技術を提供してくれるので、セルフで作業するよりも爪を健康に保ちやすくなります。特に、自宅では換気が難しい時期や、小さなお子さんやペットがいる方は、サロンを活用することで臭いを抑えつつ、きれいなネイルを楽しめます。
自分では落としにくいジェルネイルのオフもプロに任せると、臭いの発生を最小限に抑えられます。
まとめ
ネイルの臭いは使用する溶剤や成分が原因ですが、換気やアイテム選びなどちょっとした習慣・工夫で、しっかり対策できます。また、セルフネイルを楽しむ際は、臭いが残らないように、ゴミの密封や空気清浄機の活用などを心がけることも臭い対策になります。
長時間の換気が難しい真冬などは、無臭タイプのマニキュアや、アセトンフリーの除光液を取り入れることにより、快適な空間でネイルを楽しめる環境を整えられます。臭いが気になる場合は、サロンの活用も選択肢の一つです。
ネイルの臭いは、すぐに悪影響を及ぼすわけではありません。しかし、敏感な方は体調不良を起こす可能性もあるので、取り入れやすい対策を実践してみてください。